素直になれない、金曜日

きみに伝える、日曜日

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翌日。
いつになく賑やかな校舎内。


文化祭初日がはじまって、まだ数十分しか経っていないけれど早くも盛り上がっていた。



私の今日のスケジュールはというと、朝一……つまり、今から1時間ほどは図書委員のカフェのシフトで、それが終わったらすぐにクラスのステージ発表。その後は完全にフリー。



図書委員のみんなで考えたワンピースにカフェエプロンの衣装に身を包んで、気分はすっかりカフェの店員さん。


例年のスタンプラリーには飽き飽きしていたという、生徒たちにも今年のカフェは大好評で。


内装はこだわって、とってもかわいいものができたし、砂川くん考案のカフェメニューは見た目もかわいい上に味も文句なし。


私も試食させてもらったけれど、どれもほっぺが落ちそうになるほど美味しかった。




そんな噂がどこからか広まったのか、図書室に続く廊下には既に長蛇の列ができていて。




私は入口で席に案内する係をしているんだけど……。

ひっきりなしに在校生、他校生問わず、たくさんのお客さんが訪れてくれて、嬉しい悲鳴の真っ最中。



自分が考えたことがこうやって形になるって、こんなに嬉しいことなんだな、と思った。




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