素直になれない、金曜日
大事なのは、目の前で頭をおさえて痛そうにしている彼が。
「───あんた、この前の……」
ついさっきまで教室で思い浮かべていた、
あの月曜日、出会った男の子だということ。
「おい、そこのふたりー。委員会はじめっから早く席につけー」
委員会を仕切る先生の声で、彼がなにか言おうとした言葉は遮られた。
戸惑いを隠しつつ、学年別に分けられた長机の空いている椅子に座れば、彼も私の隣の席に座る。
思わず、えっ、と声をあげてしまいそうになった。
驚くに決まっている。
「……」
てっきり年上だと思い込んでいたんだもの。
だって、あまりにも大人っぽいから。
なのに、学年別に分けられた座席で私の隣に座ったということは─────
「特に今年度から加わった一年生は、よく聞けよ」
私と同じ、一年生?