素直になれない、金曜日
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それからは、まるで夢のような時間だった。
砂川くんと一緒に、いろんなクラスの展示を見て、可愛い、すごいってはしゃいで。
一緒にたこ焼きを食べたり、クレープを食べたりした。
クレープを食べたときは、私の口元についたクリームを見て砂川くんがくすっと笑って、それを指でくいっと拭ってくれたかと思えば、そのままその指を口に含んで。
『……あま』
なんて言うから、のぼせて倒れてしまいそうになった。都合のいい夢をみているんじゃないかって思ったほどだ。
それから砂川くんのクラスの展示のトリックアートを見に行って。
そこで撮ってもらったツーショット写真は、私の宝物になった。
少し前まで気まずかったのが嘘みたいにたくさん喋って、笑って、ほんとうに楽しかったんだ。
二人並んで、歩く校舎。
繋がった手を包み込むように差し込む日の光は、気がつけばオレンジ色に変わっていた。
終わらないでほしい、このまま、この時間が。
そう私が思ったと同時に、残酷にも校舎中にチャイムの音が鳴り響いた。
文化祭初日の、終わりの合図。
そして、この夢のような時間の終わりの合図で、シンデレラでいうなら、さしずめ十二時を告げる鐘の音というところ。
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それからは、まるで夢のような時間だった。
砂川くんと一緒に、いろんなクラスの展示を見て、可愛い、すごいってはしゃいで。
一緒にたこ焼きを食べたり、クレープを食べたりした。
クレープを食べたときは、私の口元についたクリームを見て砂川くんがくすっと笑って、それを指でくいっと拭ってくれたかと思えば、そのままその指を口に含んで。
『……あま』
なんて言うから、のぼせて倒れてしまいそうになった。都合のいい夢をみているんじゃないかって思ったほどだ。
それから砂川くんのクラスの展示のトリックアートを見に行って。
そこで撮ってもらったツーショット写真は、私の宝物になった。
少し前まで気まずかったのが嘘みたいにたくさん喋って、笑って、ほんとうに楽しかったんだ。
二人並んで、歩く校舎。
繋がった手を包み込むように差し込む日の光は、気がつけばオレンジ色に変わっていた。
終わらないでほしい、このまま、この時間が。
そう私が思ったと同時に、残酷にも校舎中にチャイムの音が鳴り響いた。
文化祭初日の、終わりの合図。
そして、この夢のような時間の終わりの合図で、シンデレラでいうなら、さしずめ十二時を告げる鐘の音というところ。