素直になれない、金曜日


うそ、ほんとうに……?




気になって仕方ないけれど、動揺する私などお構いなしに委員会は進んでいく。




「事前に聞いているとは思うが、図書委員の主要な仕事に図書の貸し出し当番がある」



「基本ふたり一組で、週に昼休みと放課後の当番を各一回ずつの、週二回担当してもらうのだが……」





ふたり一組?

クラス順に組むのかな。



そう勝手に予想していたけれど、続いた先生の言葉はそこまで優しくはなかった。





「自分たちで相談して、ペアを作ってもらおうと思う。学年が混ざるとややこしいから、同じ学年内でふたり一組を作ってほしい」





先生が言い終わるやいなや、
周りはざわめき始め、たちまち二人組ができていく。


まるで、元から示し合わせていたように。






─────そう、だよね。



ただでさえ面倒な図書委員。

誰も一人でなんかするわけない。
きっと、前々から友達同士で一緒にしようって決めていたんだ。





私とは違う。






『それでは、二人組を作ってください』




小学校でも、中学校でも。

国語や英語の音読、二人三脚、体操─────なにかあるたびに、二人組を作れと言われた。





私には、それが苦痛でしかなくて。

……というよりは、ただただ苦手だったの。





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