素直になれない、金曜日
「とりあえずさ」
砂川くんが緩く微笑んで。
「明日の後夜祭は一緒に過ごそっか」
「……うんっ!」
砂川くんの言葉に大きく頷いた。
うまれた小さな未来の約束に、嬉しくなって頬が緩む。
────そして、こうやって、ひとつずつ未来の小さな約束をつくって、かなえて前に進んでいきたい。
「……桜庭さん」
「どうしたの?」
幸せはきっとこの先も続いていく。
「もっかい言ってよ」
「え?」
「“好き” って」
その度に、きみに素直な気持ちを伝えよう。
ありがとう、ごめんなさい、それから───
「砂川くんが、だいすき……!」
end.