素直になれない、金曜日
星屑が散ったような気がした。
瞼の裏にちかちかと、目眩に近い、眩い輝きが。
どうしてだろう、きらきらして見えて、仕方ない。
おかしくなったんじゃないかと疑って、軽く目を擦ったけれど、そうじゃないらしい。
────知りたい、と思った。
あんな綺麗な表情をみせる彼女の、その瞳にうつる世界が知りたい。
近づいて、その心に触れてみたい、と漠然と思った。
喉の渇きにも似た、“欲しい” という感情。
今まで感じたことのなかったその衝動の正体がなんなのか、まだそのときの俺にはわからなかった。
だけど。
「……あんた、優しいんだな」
ぽつり、思ったことをそのまま零したその瞬間。
彼女にまた、会えたらなって何の脈絡もなくそう思った。