素直になれない、金曜日
見ていられなくて、すっと視線を逸らす。
そして床に落ちたホコリに焦点を合わせた。
……いいんだ。
これが私なんだから。
ホウキを握る手にぎゅっと力を込めて、さっさと掃除を終わらせようと気持ちを切り替えた。
ふと黒板に目を向けてはっと息を呑む。
「金曜日……」
うっかりしていた。
今日って金曜日……?
スケジュール帳に記した星印を思い出して、顔から血の気が引いていく。
今日って、もしかしなくても。
「……図書当番だ」
慌てて時計を見れば、もう遅刻確定。
まさか当番初日に遅れることになるなんて、ほんと最低最悪。
だけど、今更どうしようもないから、
できるだけ急いで掃除を終わらせてできるだけダッシュで図書室へ向かった。
───ガラガラガラッ
「っ、遅れてごめんなさいっ!」