素直になれない、金曜日
自分の弱さに負けたんだ。
せっかくの勇気は、いとも簡単にしぼんでしまった。
意識しているのは私だけで、きっと砂川くんは私がいたことにさえ気づいていない。
いいんだよ、それで。
だって、私は元々そういう人間だもん。
なんて、
───────全然よくないよ。
“美味しかった” ってそれだけのことが、どうして言えないんだろう。
たったその一言さえも伝えられない私のことが、私は、“だいきらい” で仕方ない。
◇