桜吹雪の中で
「中村先輩には僕が伝えときます!
大丈夫です!
あ、あの、僕がただ、少し手伝って欲しいだけで…もし…」
「手伝う!!!」
小野くんの言葉を遮るように、私は応えた。
まだここにいれることにとても喜んだ。
「ありがとう、小野くん!
私は何すればいいかな?….」
「じゃ、じゃあ!
前の席にとりあえず移動しましょ!」
遠くで見ていた中村先輩がどんどん、どんどん近くなる。
反対側にいた女の子達や、演劇部を見に来た人は部員の人に全員帰るよう案内されてた。
私だけだ…
私だけだ…
もしかしたら、運命なのかもしれない…
私は少し浮かれ気分になった。