桜吹雪の中で
夏が始まる少し前
放課後、講堂に行く時は
初めて3人で向かった。
足取りは重くて気づいたら二人の後ろを歩いていた。
二人が話してる内容は私には知らない話ばかり。
「翼と同じ学校とか楽しぃなぁ…
また小さい頃みたいに二人でいようね!」
「そんなの無理でしょ…」
小野くんが苦笑いしながら答えた。
「今日は菜美さんと二人で 編集作業するんだから、道流は邪魔しないでね」
道流がムッとした顔をして
「菜美ちゃんが邪魔じゃない?」
と言った。
小野くんは慌てて謝れと何度も道流に言うが
謝ろうとしなかった。
変わりに小野くんが謝って
「大丈夫だよ」と言うしかなかった。
大丈夫というよりか…
こんな会話を教室に戻ってからずっとされて
慣れたと言った方が正しかった。