桜吹雪の中で
合宿2日目。
朝、目を覚ますと小野くんと中村先輩はいなかった。
先に起きたのかな?…
まだ、みんな寝てるようだった…
携帯の時間を見ると6時くらい。
2人ともどこにいるんだろう…
私はホールを出て、ロッジに向かった。
ロッジのダイニングの方にも誰もいなく
各学年の部屋の方へ向かった。
すると、3年の部屋から話し声が聞こえた。
「小野、どーすんだよ。
昨日、分かっただろ?気付いただろ?」
「でも…僕は今のままでも…」
中村先輩と小野くんだった。
話してる内容は分からなかったけど、きっと演劇の話だろうと思って、私はホールに戻ろうとした。
ーーーあっー
バタン!!
足がもつれて転んでしまった。
「誰だ?!
…え、小川さん…
どこから聞いてた?…」
「いててて…
分かっただろ?あたりですかね…
演劇のことですよね?」
「あ、そ、そ、そーなんだ!
菜美さん、大丈夫?立てる?」
小野くんがてを差し出してくれた。
「ありがとう
あ、先輩、小野くん
おはようございます!」
「おはようございます」
小野くんがにこと笑って力強く起こしてくれた。
私はそのまま
先輩と小野くんと部屋で朝ごはんの時間まで話していた。
みんなが集まり出した頃に
薫さんが勢いよく入ってきて
中村先輩に絡んだり、2人にどこいってたんだと問い質したり…
2日目も楽しくなりそうと思った。
初恋の人にも恋してる。
いや、逢いたい、会ってみたい…
でも、私は朝小野くんが差し出してくれた手を握った瞬間
離れたくない。離したくないと思った。
あぁ、私は
小野くんに恋してるんだ。