桜吹雪の中で
講堂へ着くとたくさんの人がいた。
「中村先輩まだかなぁ…」
「あー早く王子様を拝みたいぃぃ」
やっぱり、中村先輩のファンの女の子たちが多かった。
私は人混みの中を通り、一番前の関係者席に座った。
結子の分も取ってあったみたいで
2人で並んで座ることも出来た。
「えー
私までいいのかな?…」
「大丈夫だよ!!」
初めてここに来た時と同じ場所。
もしかしたら、あの時から…
なんて、色々考えてた。
今日、伝えたい。
あなたに。
桜吹雪の人よりも、小野くんのそばにいたい。
講堂は暗くなり
ステージの幕が開いた。
いよいよ、演劇部の公演がはじまる。