奇跡のValentineDay
「何、ブスな顔してんの?」


その一言で一気に崩れ去りました。彼の唯一の欠点、毒舌です。


「ほんと最悪ね。よくそんな男を好きになったもんだわ」


友香ちゃんは私が好きな彼をズバッと否定します。そんな言い方しなくても。


「でも...不意に見せる笑顔とか可愛いの」


そう...彼の笑顔はとびきり可愛い。って言っても、私が見た笑顔は私への笑顔ではありません。


私が知らない、綺麗な女性への笑顔でした。


それはある日、私が家から出た時の事。


玄関から出た瞬間、見慣れない女性と彼が笑い合っているのを見てしまいました...


そういう事。きっとそういう事。


彼はその人が好きなんだ...


私はそう思いました。


だけど、彼を思えば思うほど諦められなくなって、考えないようにしても結局思い出してしまって...
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