奇跡のValentineDay

「バカね、あんた。私はもう帰るから、好きなようにしなさい」


友香ちゃんはそう言うと、私の部屋から出て行ってしまいました。


友香ちゃんに見捨てられると寂しくて、つい涙が出てしまいそうになります。彼から酷い言葉を浴びせられた時も...


だけど結局、彼は優しいから。
私が傷ついて泣いてしまうと、大きな手で私の頭を撫でてくれたり...「泣くと余計ブスになるぞ（？）」って言ってくれたり...


だから彼の事を嫌いになる事なんて出来なくて。彼の事を思えば思うほど、欲しくなってとめられそうにありません。


「悠希くん！」


外に出ると、部屋に向かって叫んだ。彼は窓を開けると不思議そうな顔をしています。


「何だよお前、こんな時間に。立派な近所迷惑だ」


ムッとした顔をされてしまい、私は思わず肩をすくめた。やっぱり夜だからか怒ってる。反省しつつも更に続けた。


「悠希くん、私が明日、チョコあげたら...受け取ってくれますか？」


彼は何も言わず固まっています。そして一度タメ息をつくとムッとしたまま口を開いた。