勿忘草(ワスレナグサ)

数樹さん

私は捨て子だった。

父母は施設に入れるお金がなかったのだ

と思うようにしているが、

どうせ、私はいらない子だったのだ。



捨て子、しかも短命種の場合は

拾われることはほぼない。

しかし私は、運良く葛城家に拾われた。

葛城家は普通種の名家で

いくつもの有名企業を持っている。

葛城家の人はとても親切で、

とりわけ、跡継ぎの数樹(カズキ)さんは違った。
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