彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
「お前ぇえ!!この場面でゲームの心配かっ!?」
「当たり前やん、カンナはん!?ここまでたどりつくまで大変やったんやで!?セーブしとるから、最終局面やり直せるけど〜!ながちゃんっ!ゲーム機から手ぇ放し!握りつぶしとる場所、メモリー入っとるあたりやんか!?」
「・・・あん?・・・ああ!!?ああああ!!!?俺の武器!レアアイテム!!課金したのが、ヤバイヤバイ!!!」
五十嵐の言葉で冷酷で残忍な半ぐれが、軽いチャラ男にもどる。
〔★チャラ男の復活だ★〕
急いで、データ確認をはじめる馬鹿2人。
「死ぬな!俺のデータ!!」
「イケるか、ながちゃん!?あかんか!?あかんのか!?」
「『あかん』は、言わないで的な!ホントに『あかん』になっちゃう系!」
「ほな、わしのでバックアップとれてるか確認しよ!な!?」
「わーん、ヤマトっち〜ガチ神系!!!それに比べて・・・」
五十嵐が幡随院のゲーム機から取り出したメモリーを受け取ったのと同時に、『それは』すでに起きていた。
「円城寺殺す。」
ビュン!!
「うお!?」
バッキーン!!
「な!?」
(なんだ今のは!?)
見えなかったが、ヤバイやつだ。
肉眼では、とらえられなかった動きを、関西男子が口にした。
「なにしてんねん、ながちゃん!?えんなんとか君に、自分のゲーム機投げつけて、なにしてんねん!?しかも当たってへんし!!」
見えなかった動き、それは−−−・・・
立ち上がった幡随院が、へしゃげたゲーム機を大河に投げつけた動作だった。
「その通り!残念だったなこの野郎!!」
当然、大河はよけていて、ゲーム機は後ろの壁にぶつかって大破していた。
それを見て、五十嵐が嘆く。