彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)



「どうしたカンナ!?」

「急に大声出して!?」

「うはは!メモリー、動いてる!イケるちゃうか!?」

「「うるせーぞコラ?」」

「高千穂、なにがあっ−−−−あん?お前は!?」



1人を除いて、全員がいっせいにあたしを見る。


あたしの声に悠斗と秀があたしを気遣い、五十嵐はゲームを気にし、大河と幡随院が声をそろえて発声したところで、その正体に気づいた可児が名前を呼ぶ。



「関山じゃねぇか!?」

「どーも、ぼっしぃ専用ー忍者のつなぐだよ♪」



可愛く敬礼しながら言うのは、中間の性・半陰陽の身体を持つ関山つなぐ(せきやま つなぐ)だった。

戸籍は女だが、見た目は宝塚に出てくるような美形。

こいつも元は敵で、凛を狙う刺客だったが、凛になついたり、関山の親に頼まれたとかで龍星軍に入ってきた。

忍者の子孫で忍術使うのもあれだけど、子供を暴走族の総長に頼むってどんな親だよ?



〔★忍者もしてる公務員だ★〕



あざとい敬礼を終えると、腰に手をあてながら麗人は静かに語る。



「話はすべて聞かせてもらったよ!ここは、平和的に拳を使わないで我が君と兄君のどちらが1番か決めようじゃないか?」

「拳を使わない〜?」

「「足か。」」



あたしが聞き返せば、声をそろえ、すばやく反応して足技の準備をする馬鹿2人。

そんな大河と幡随院を忍者が笑う。



「ハズレ〜俺が言ってるのは、『ペンは剣よりも強い』ってこと♪」


「「道具を使うのか?」」



再び声をそろえ、近くの椅子をそれぞれつかんで構える馬鹿2人。



「だからやめろオメーら!」



そんな仲間を怒鳴らずにはいられない。



〔★カンナも必死だ★〕



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