彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)



「うはははは!ほな、カウントいくで−!?3−、2−、1−!!」



緊張が最高まで高まった時だった。





ガチャ!





「ただいま〜♪」

「帰ったぞー何匹いる−?」

「凛!?」

「うはははは!瑞希はーん!」

「「「「「「え!?」」」」」」





本人達が帰ってきた。

そこで、全員のラストスパートが止まる。



カンカンカンカーン!



「うはははは!しゅ〜りょ〜や!!」



景気よく、五十嵐が鐘を鳴らす。

時間切れとなる。

戦いが終わったと同時に、凛と真田先輩が笑顔で近づいてきた。



「あ、カンナさんにヤマト!可児君と、ちーちゃんと、つなぐ。」

「お、大河達もいるな。全員そろってんのか?」

「めずらしいですね〜」



ほのぼの兄弟の帰還で、修羅場は終わった。



「みんなで、なにしてるんですか?」

「え?」



聞かれて返事に困る。

それを察したのか、凛がしまった!という顔をする。



「あ、すみません!聞かない方が・・・よかったですか?」

「いや別に〜」

「いいですよ、カンナさん。プライバシーがありますもんね。聞きませんから、安心して下さい。」

「凛・・・」



笑顔でそう言うと、あっさりと離れるツレ。

マジでサッパリしてる。

ヤンキーらしくないところが目立つが・・・そこが『男』らしくて良いんだよな〜!



「凛、お前はヤンキーらしくないけど、あたしは良いと思うぜ?」

「急にどうしたんですか、カンナさん?僕がヤンキーに見えないのは、今さらじゃないですか??」

「へへ!まあーな・・・!」



不思議そうにする凛の肩を組んだ時、真田先輩が言った。



「高千穂、他のやつらも!モスバーガー食うか!?なぁ凛?」

「そうでした!百鬼さんに頼まれたおやつだったんですけど、帰れなくなったから食べていいと言われまして。」

「あ。」



言われて気づく。

凛達が両手に持っている大量の袋と、美味そうなにおいに。



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