彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
(『嫉妬』は醜いってホントだなー)
ツレを反面教師にして、自分に言い聞かせる。
(ああは、なるまい。)
〔★その瞳は氷点下だ★〕
「高千穂も、凛じゃなくて、俺が1番だと思ってるのか?」
「え!?」
気づけば、凛をキッチンに行かせ、持っていた荷物を大河に渡した真田先輩が目の前にいた。
「あたしは別に〜・・・」
「本当の1番は、自分の思い通りに相手が動くことだ。『動かす』じゃなくて『動く』、動きたくなるように思わせるやつが1番なんだ。」
「そ、そうっすか−−−・・・」
あたしに顔を寄せて、ささやく姿は小悪魔・・・イタズラ小僧にしとくか。
そんな人が、リップを、口紅でもつけているかのような赤い唇を動かしながら言った。
「凛と俺を比べても、意味はない。凛が『お兄ちゃんが1番じゃなきゃだめ!』というから、俺が1番なんだ。」
「な、なんすか?ブラコン自慢スか〜?」
「そうかもな。例え、どんな喧嘩をしようが、ガチの殴りあいをしても、タイマンをしたとしても俺が勝つ。凛は俺相手に100%本気を出せない。出さない。」
(あたしもそう思う。)
凛のブラコンは筋金入りだからな〜
「命令しても、俺が勝つような八百長にしかならない。仮に本気できてくれたとしても、俺が殺すつもりでやるからやっぱり俺の勝ち。」
(殺すつもりって−−−!?)
「なにが言いたいんすか?」
物騒じゃねぇかと想いながら聞けば、綺麗な笑顔で初代総長は答えた。