彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)




「『龍星軍で1番強いのは凛』なんだよ。凛が俺を1番と言うなら、その望みを叶えなきゃダメだろう?」

「え・・・?」



にこやかに言う姿に、鳥肌が立つ。

気持ち悪いとか、そういうのじゃない。




(−−−漠然とした恐怖−−−・・・!)




この人が、あの龍星軍の総長だったと、思い知らされる畏怖。

ブチ切れてる顔でも、声でも、態度でもない。

穏やかなのに、震えがきちまうような威圧感があった。





「さ、なだ先輩・・・?」

「言っただろう?1番強いやつってのは、『仲間を動かせるやつ』じゃなくて、『仲間が自分で動くこと』だって?」





甘く優しく、鳥肌の止まらない声で楽しそうに真田瑞希はつぶやいた。





「それは身内にこそ、俺と凛に1番あてはまることなんだ。」

「なっ・・・!?」

「瑞希お兄ちゃーん、カンナさん!どうしました?」

「カンナ!!瑞希先輩とツーショットすんな!!」

「なんでもねぇよ、凛!大河はうっせー」





2人の問いに、からかうように返す先輩。

無意識で、反射的に名前を呼んでいた。





「真田先輩!」

「今のは、凛には内緒な?へそまげちまうから。」

「あの・・・!」

「他のやつにもな?」




有無を言わせない圧力。

笑ってない目が、あたしに告げる。





「これは−−−俺達だけの内緒話だ。わかるよな?」





笑顔でささやくと、あたしから離れていく初代総長。





(なんであたしに、そんなことを・・・!?)



鳥肌が収まらないまま、妙な気分になる。





(凛が真田先輩にべったりなブラコンだと思ってたけど−−−)





「兄貴もかよ。」





やっぱり、あの人は初代総長だ。

出来た『秘密』にため息が出る。

なんてことはない。

人が聞けば呆れる、ごくごくしょーもない話なのだ。







〜龍星軍男子による仁義なき闘い(多幸さんより)〜完結〜




★提供は、YAYOI99と多幸さんでお贈りしました★










キャスト
★高千穂カンナ
爆裂団と龍星軍を兼業する紅一点のツッパリガールで、初代も凛も平等に好き(!?)

★五十嵐ヤマト
マイペースな怪力関西男子で凛の大親友(!?)であり、凛派と思われる阪神タイガーズファン。

★円城寺大河
爆裂団の総長で龍星軍の総長代行をする真田瑞希命のオラオラ系男子であり、凛に嫉妬しかない筋金入りの瑞希派!

★幡随院長政
凛のために、元・全国No.1の半グレ総長の地位を捨てて龍星軍の遊撃隊長に転身した生粋の凛派なため、凛次第で、残酷キングにチャラ男にと入れ替わりが激しい。

★可児良信
元敵の自分をかばうためにスカウトしたと言う凛への忠誠心は絶対で、自他共に認める凛派だが、凛の評価に関わるなら、自分にも凛派の仲間にも厳しい。

★関山つなぐ
凛を我が君♪ぼっしぃ〜と慕う性別中性の凛派忍者で、主君と崇める凛のためならなんでもするから、忍者道具も平気で使う。

★吾妻秀一
爆裂団と龍星軍を兼業する真田瑞希派閥で、貴重なツッコミ役だが、実はパチンコ大好き。

★長谷部悠斗
爆裂団と龍星軍を兼業する真田瑞希派閥で、暴走気味のツッコミ役だが、カンナを想う気持ちは報われない。

★凛道蓮
今回の勝負のお題にして、『僕と瑞希お兄ちゃんなら、瑞希お兄ちゃんが1番に決まってるでしょう!?』と、ブチギレるブラコン(!?)だが、瑞希からの頭ナデナデで機嫌を直す。

★真田瑞希
今回の勝負のお題にして、『俺と凛なら、凛のためにも瑞希お兄ちゃんが1番じゃなきゃダメだろう?』と、カンナに内緒話で語るブラコン(!?)姿は、セクシー小悪魔お兄ちゃんだが、今回1番の曲者だった。



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