彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)

凛たんがフェチリータに来るのは夕方だ。

土日は朝から来るが、平日は夕方にならないときてくれない。



(・・・学校帰りに来てくれるんだろうなー)


そう思うとおかしくなった。

全国ナンバー1・最強暴走族の総長が、真面目に学校に行っているらしい事実。


(まぁ・・・元がヤンキーってわけじゃねぇからな・・・。族してるのだって、全部、瑞希の影響で、原因だもんなー。)


〔★烈司も原因の1つだ★〕


「こんばんは~来ました~!」


そんなことを考えていたら、裏口から元気の良い声がした。


「凛でーす!瑞希お兄ちゃん~!!」


いつも通りの時間に、浮かれた可愛い声が響く。


「いらっしゃい、凛たん。」


やってきたのは、俺達から龍星軍を引き継いだ4代目総長の凛道蓮。

俺はいつもの席とは違う、ソファー席に腰かけながら返事をする。


「え!?あ、烈司さん?こんばんはー瑞希お兄ちゃんはいますか?」


そんな俺を見て、一瞬凛たんは驚いたが、すぐに瑞希のことを聞いてくる。


(マジで瑞希第一か・・・)


〔★切り替えが早かった★〕


凛たんの態度に、せっかく身だしなみに気合を入れたのになぁーと、残念になる俺。


「あの、瑞希お兄ちゃんはどちらですか?」

「瑞希なら部屋で仮眠中だ。」

「獅子島さん!?」


拗ねる俺の代わりに答えたのは、階段から降りてきた伊織。


(正しくは、仮眠じゃなくて、ふて寝だけどな~)


それは伊織も知っているが、凛たんに教えることはしない。



「あまり静かいするなよ。自然に起きるまで待て、凛道。」

「お疲れなのですね!?わかりました!」


敬礼しながら、段々と声を小さくしながら言う姿が可愛い。


〔★凛のデクレッシェンド、烈司に癒しを与えた★〕

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