彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
「もういいよ、凛たん。謝るのも柔軟もいいから、LEONさんの前においで!こっちに座りな?」
「は、はい・・・」
俺の言葉に従って、凛たんが俺の前に座る。
テーブルをはさんでの近距離。
小さくて華奢な体が、3人用のソファーに沈んでいく。
「失礼します。」
「うんうん、どんどん失礼しなさい♪」
「では失礼しよう。」
「うんうん・・・って!?なんで凛たんの真横にオメーが座るんだよ、伊織!?」
「ち、近いです・・・!」
凛たんの隣にぴったりくっつく形で腰を下ろす眼鏡のツレ。
くっつかれた小動物の後輩は、怯えた表情で固まっている。
(つーか、凛たん絶対、伊織のことがまだ怖いだろう!?)
〔★占い師の予想は正しい★〕
「なんだ凛道。俺が横にいるのは不満か?」
「い、いいえ!恐れ多いので!あの・・・!」
「ほお、畏怖(いふ)とは・・・お世辞がうまくなったか。」
「いや、マジでおびえてると思うぜ?」
「で?これから凛道をどうする気だ、烈司?」
「無視かよテメー?」
「ぼ、僕をどうするんですか!?烈司さん!?」
「いや、大丈夫だから、凛たん!烈司さん、怖いことしないから!」
「LEONの方はわからんがな。」
「え!?」
「LEONもしねぇーよ、クソ伊織!大丈夫だって、凛た~ん!」
「・・・本当ですか?」
「ホントホント。そんな、『裏切らない?』って目で見られたら裏切れなーい。つーか、裏切る気はみじんもないからな?」
俺らをスルーする腹黒に腹が立ったが、怯える凛たんをなだめながら、営業スマイルで言った。
「今日はなぁ~不運続きの凛たんのために、LEONさんが特別鑑定をしようと思ったんだ。」
「特別鑑定・・・?」
「そうそう!凛たん、最近不運じゃんか?ちょっとさー幸運になるにはどうしたらいいかをね~」
「え?烈司さん、身近な人は占えないでしょう?視えないですよね?何を企んでるんですか?」
「うわ、冷静―・・・」
(お子様な見た目に反して、こういうところはしっかりしてるよなぁ~・・・)
俺の言葉に、真顔で、澄んだ目で聞き返す凛たん。
〔★凛の洞察力、危険を察知した★〕