彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
「うはは!全員集合やのー!?」
「どこがだよ!?凛がいないだろう!凛はどこだよ!?今日はいる日だろう?」
あきれる思いで五十嵐を怒鳴った。
基本、凛が現れるのは真田先輩達の自宅兼店舗の『フェチリータ』だけ。
さらにいえば、兄である真田先輩が家にいる日だけ。
「今日、真田先輩は休みだろう?」
室内を見渡し、凛がいないのを確認しながら考える。
凛がいないということは、真田先輩のシフトが変わったことを意味してる。
前に、シフト変更を知らずに来た凛が、お兄ちゃん不足だとへばっていたので、ケツを叩いて単車の後ろに乗せて走ったことがあった。
帰った時に、『愛の逃避行なんかしてズルイ!』って、モニカ先輩にキレられて困ったわ。
けど、『凛ちゃんの気晴らしをしてくれたお礼♪』だと言って、モニカ先輩特性のアロママッサージと美味い飯とデザート食わせてもらって、女らしいっつーか、あたしに似合うメイクとかされて、可愛いとか言われて、凛と一緒になって褒められて・・・悪い気はしなかったな・・・
(わ、悪くなかったかな!)
〔★カンナはヤンデレしている★〕
凛を探すあたしの問いに可児が答えた。
「ああ、真田先輩は休みだ。」
「どこだよハゲ!ガレージにも、ここにもいない!便所にはテメーがいた!キッチンと和室からも気配がしないってことは〜瑞希先輩はご自分の部屋か!?」
「気配まで探るなボケ!!つーか、いつから気配が探れるようになったんだよ、円城寺!?」
「へっ!瑞希先輩は別だからな?」
「ドヤ顔で決め顔すんな、大河!真田先輩のこととなると、ウザいんだよオメーは!」
得意気なツレを怒鳴ってから、あたしは可児に確認した。