彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)



「凛たんが言うように俺は、身近な人の占いを正確には視れない。けどな、『鑑定』は出来る。」

「どういう意味ですか・・・?」

「この場合、運勢を占うんじゃなくて、運勢を鑑定するんだよ。占いは未来を言い当てるけど、鑑定は知識を元に言うわけ。わかるかな?」

「あ・・・なるほど!そういうことですか?」

「そういうこと♪凛たんを幸せにできる鑑定をしていいかなー?」

「僕ではなく、瑞希お兄ちゃんを幸せにする鑑定をして頂けませんか?」

「あー、うんうん。それは瑞希が起きてからね?」

「はい!よろしくお願いします!」


(・・・オメーは幸せもんだぜ、瑞希?)


自分のことよりも大好きなお兄ちゃんの幸せを思うなんて・・・マジ凛たん可愛いじゃねぇか。


(日に日に愛しさが増す凛たんに比べて、あの野郎は・・・年々、可愛げがなくなってきてるわ。)


あーあ、と思いながらなげいていれば、伊織の顔が俺に近づく。



「・・・気をつけろ、烈司。瑞希の可愛げが減速しているという感情が表情に出ているぞ。凛道に気づかれる。」

「なっ!?伊織テメー!?」

「え!?瑞希お兄ちゃんがどうかしましたか、獅子島さん!?」

「気のせいだ、凛道。烈司も杞憂だぞ。第三者から見れば、お前も瑞希も変わっとらん。過保護同士だ。」

「なっ!?誰がだ、伊織テメー!?」

「え!?やっぱり、瑞希お兄ちゃんの話してますよね!?瑞希お兄ちゃんがどうしたのですか!?」

「さわぐな凛道。烈司の話をしただけだ。どうでもいいだろう?」

「ですが、瑞希お兄ちゃんの名前が聞こえましたよ!?」

「凛たん、俺がどうでもいい点はノーコメントなの?」



〔★つらい現実だった★〕

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