彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
「お遊びはここまでだ。黙れ凛道。」
「すっ、すみません!」
ジロッと、にらむ伊織に、凛たんはせず児を伸ばして固まる。
「わかればいい。お前もさっさと仕事をしろ。占い師改め、鑑定士・LEON。」
「わかってんだよ!」
(伊織も伊織で、こういう時だけ要領が良いんだよな・・・!)
テメーで場の空気を引っ掻き回して降りて、何事もなかったかのように場をまとめる。
そんな腹黒のペースに乗せられ過ぎと反省しつつも、本題へと進んだ。
「オッホン!凛たん・・・幸運を引き寄せるポイントは何かわかるかな?」
「わかりません。」
「じゃあ、特別にLEONさんが教えよう。」
「え?飯の種的なものを、僕なんかにしゃべっていいのですか?」
「いいよ、いいよ。凛たんだから教える。」
「は、はあ・・・ありがとうございます。」
「どういたしまして♪じゃあ、耳を~」
貸して♪と、手招きすれば、こっちに顔を寄せてくる凛たん。
素直だと思いながら、その耳元でささやいた。
「幸運を呼ぶ方法は~」
「はい、幸運を呼ぶ方法は?」
「―――――――幸せな気持ちになればいいんだよ。」
「幸せな気持ちになる?」
キョトンとした顔で、俺の顔を見る凛たん。
これに笑顔を向けながら答えた。
「そう♪凛たん、何をしてる時が幸せかな?」
「はい!瑞希おー!!」
「はいはい!!瑞希お兄ちゃんと一緒にいる時ね!!知ってる!わかってるよ~!」
「え!?き、気づいてたんですか!?」
「気づくさ~♪」
(龍星軍の総長になったのだって、ほぼ、瑞希目当てのようなもんだったからな~)
そんな思いで凛たんの横を見れば、同じことを思ったらしい、眼鏡のツレがうなずく。
「わああ~~!お恥ずかしい・・・!気づかれていたなんて・・・!さすが、烈司さんですね!?」
「・・・烈司でなくても気づくぞ?」
「え?なんですか、獅子島さん?」
「なんでもない、ないなーい!凛たーん!!そんじゃ、早速幸せになろうか?」
「え!?瑞希お兄ちゃんの部屋に突入して、添い寝の実行をしていいと言うのですか!?いや、その!それはさすがに、寝ている瑞希お兄ちゃんに申し訳ないと言いますか~!」
「・・・凛たん、そんなこと考えてたのか?」
「・・・誰が寝た子を起こせと言った、凛道?」
「え!?ち、違うのですか!?」
「「違う。」」
口裏を合わせたわけでもないのにそろった声。
(といっても、ここから作戦スタートなわけだから、あれだけどな~)
頬を染めながら言う凛たんに、モヤッとしながらも言った。