彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
「って!?そんなやり取りをしているうちに、14歳の瑞希お兄ちゃんが動かなくなりましたぁー!!」
「あ、再生時間が終わったんだな。」
「アンコール!アンコール!!」
「ああ、うんうん。もう一回みたいんだね、凛たん?」
「あまり聞かんアンコールだな。」
「お願いします!早く瑞希お兄ちゃんを下さい!!瑞希お兄ちゃん不足がひどくなります!!」
「うーん、どうしようかなぁ~」
「ここまでして、出し渋りですかっ!?」
「いや~個人情報がうるさい時代じゃんか?」
「すっごい、今さらな理由ですね!?」
「凛たん、今ので幸福感を得られたのかな?」
「得られました!!胸がキュンキュンしました!!」
「じゃあ、幸福を与えるミッションは終了かな?はい、かいさーん!!」
「待ってぇぇぇ!!麒麟の田村さんのお父さんみたいな解散はおやめください!!」
「しかし、凛道は幸福を得たんだろう?目的は達成だ。」
「まだですよ、獅子島さん!!まだ!まだまだ、瑞希お兄ちゃん不足です!!お慈悲を!!烈司さーん!!」
そう言いながら、伊織につままれた状態で俺に抱き付いてくる凛たん。
「・・・・チッ・・・・」
それを見て舌打ちする伊織。
いやいや、お前自分で、凛たんに触れてるからいいじゃんか?
(俺の場合は、凛たんから俺に触ってきてくれてるけどさぁ~♪)
「・・・考えとることが面に出てるぞ、烈司・・・!?」
「ははは!わりぃーわりぃー!」
不満そうな伊織に、内心スカッとしながら凛たんに言った。
「凛たんがそこまで言うなら、動画見せようか?瑞希の昔の思い出メモリー?」
「思い出メモリー!?メモリーと呼ぶほどの量があると言うことですか!?
「食いつきが良いな、オイ。見せる代わりに、条件が2つほどあるんだけ―――――――」
「守ります!!再生をお願いします!!」
「いやいや、条件を聞いてから言おうぜ?そのセリフ。」
「凛道お前・・・契約書をよく読まずにサインするタイプか?」
「瑞希お兄ちゃんのことですよ!?瑞希お兄ちゃんに関わることなら、僕はすべて受け入れます!!なによりも、烈司さんは人をだますような人じゃないです!!」
「ほぉ~」
「・・・人をだます人じゃない、か・・・」
―嘘つき!烈司さんの嘘つき!!―
―信じてたんですよ・・・!?―
嬉しいはずの凛たんの言葉で、過去がフラッシュバックする。