彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)



「い・・・いいんですか!?瑞希お兄ちゃんに・・・瑞希お兄ちゃんの昔の映像を見せて下さいと、お願いしても・・・!?」

「だ、だからそう言ってんだろう!?たくっ!AV見てぇってゆーよりマシだわ!!」

「あ・・・ありがとうございます!!」

「そういうことだから、烈司と伊織に頼むなよ!」

「はいっ!」

「モニカと皇助にもだ!」

「はいっ!!」

「つーか!テメーの身体を交換条件にするとか、何考えてんだよ!!?」



ポカ!

「ご、ごめんなさい!」



釘を刺す・・・じゃねぇが、拳で軽く頭を叩けば、シュンとしながら凛はつぶやく。



「どーしても・・・見たかったんです・・・僕の知らない瑞希お兄ちゃんを・・・」



うつむいているがわかる。

凛が目をウルウルしながら言ってることは。



あ~~~~!!マジで、タマとポチにそっくりだ!!



(クソ可愛すぎるぜ!この小動物めっ!!)



「こっ、このブラコン!そんなに俺が好きかよ!?」

「はい、大好きです。」

「真顔で言うなよ!?恥いだろう!?」



キリッとした表情で、ドヤ顔する凛にドキドキする。



「今後は、瑞希お兄ちゃんの過去の映像の視聴は、瑞希お兄ちゃんからしかお願いしません。本当に、ごめんなさい・・・!」

「・・・わかったならいいけどよー」



気まずくなり、横を向く。

チラッと、目だけで凛を見れば、凛々しかった顔がショボーンとなっている。

顔文字で表現すれば、(´・ω・`)これな?




「凛の一番はなんだ?」




自分でも、何故そう聞いたかわからない。

ただ、なんとなく口をついて出たのがその問いかけだった。

これに凛は、真っ直ぐな目で俺を見ながら答えた。



「真田瑞希さん。瑞希お兄ちゃん、あなたです。」

「・・・ばーか。」



凛の返事に悪い気はしない。

ジッと俺を見る凛へ両手を伸ばす。

身体ごと近づいて、その小さな体を抱きしめる。



「み、瑞希お兄ちゃん?」


ゆっくりと撫で回す。

凛の体温が伝わってきて、ぬくい。

ホット安堵する半面、一気に疲れが出てきた。



ボフン!

「わ!?」



凛を抱き締めたままベッドに座り込む。横に倒れる。




「やべぇ寝る。」

「寝てください。」



そんな言葉に合わせて、俺の腕の中から脱出した凛の左手が俺の頭を優しくなでる。



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