彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
ニコッと笑って、可愛いゆるキャラ中坊から、ドリンク2つを奪い取った。
あたしの動きについてこれず、受け取ろうとして伸ばしたさやかとめぐみの行き場をなくして固まる手が、姿が、すごくこっけいで楽しい。
ついでに、馬鹿2人につれたように、驚きの声を聞かせてくれた中坊にも気分がよくなる。
ふーん・・・少しは、営業トークで、可愛い声を作ってんのよ?
別にいいけどさ~?
「ほら、さやか、めぐみ。」
「あ・・・ありがとう、フッチー・・・」
「サンキュー、ルノア・・・」
何か言いたそうにしてるけど、言うわけない。
そんな根性も、あたしに逆らったらどうなるか、わからない馬鹿を、右腕と左腕にはしない。
ゆるキャラに触れなくて、ションボリドリンクを飲む馬鹿2人をよそに、オーダーした商品は出来上がる。
それをゆるキャラが手にして、頼んだ奴を呼ぶ。
「えーと、お次はカフェオレのLサイズ3つのプリンス様方と『アイスト・モカ』の若君の分になりま」
「貸して。あたしがもらうから。」
「あ、るのあ!」
「渕上さん!」
「フッチー!?」
「ルノアさん!?」
注文した相手に渡そうとしたゆるキャラから、まとめで奪い取る。
それで、オーダーした男達が可愛い中坊をニラむ。
(マジで、小さい男ばっかり。)
その後は、ゆるキャラが読み上げたドリンクを、ゆるキャラの代わりにあたしが渡していく。