彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)



まぁいいわ。



こんな屋台の店の人間なんて、万札の束を見せれば、簡単に言いなりになる。

店主はこの子を一体いくらでレンタルさせてくれるかしら?

侮蔑と見下しと、軽蔑で笑いそうになる。

金で言いなりになる瞬間の人間の醜さを見るのが好き。


それがもうすぐ見られる。


この少年があたしのものに―――――――――――!!





「やめろ。」





ならなかった。

結果は不発。

男とは思えないきれいな手が、あたしの手を払いのけた。





「うちのチョコは、売り物じゃねぇ。あいにく、人間をレンタルするサービスはしてないんだ。金は返すから、帰れ。」





あげくのはてに、ドリンク代の金を突き返された。


なにそれ?



(許せない。)



あたしの手を叩いたことも許せないけど、チョコの態度が許せなかった。



(なんで助けてもらったような顔してんのよ?)



誘ってやってるのに。

このあたしが、わざわざ声かけてやってるのに。



(信じらんねぇ!!)



あり得ないことは続いた。









「・・・タカ&トモって聞こえたんだけど。それ、ケンカ慣れした走り屋さんと同じじゃない?『スカイハイ』のナンバー1とナンバー2よね?」

「「「「え?」」」」


「「だったらなんだ?」」


無理やり連れて行こうとしたら、有名な走り屋チームのスカイハイまで出てきて邪魔された。

そいつらが、ゆるキャラに敬意を払ってた。

それで冷静さを取り戻せた。





(・・・ただのガキじゃない?)

「お兄ちゃんなの?」

「え?」






いろいろ考えた結果、ゆるキャラに聞いた。


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