彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)




氷のような眼つきと、底冷えする声で幡随院は告げる。



「リンリンが優しいからって、つけあがるなよ。幽体離脱させてやろうか?」

「あかん!あかんよ、ながちゃん!ザ・タッチの漫才はあかんよ、ながちゃん!君ら2人にてへんがな!?」

「そういう問題かよ!?」



思わず、五十嵐にツッコミをいれた結果、あたしは喧嘩を止めるタイミングを逃すことになる。



「テメー、瑞希先輩への美人呼びは、女呼びと同じだって、わかってんのかコラ?」

「わりぃわりぃ。真田さんにフラれっぱなしの円城寺君がサマになってさ−真田瑞希教の信者よりも、真田瑞希のストーカー予備軍の方がお似合いだぞ?」

「あんだとぉ!?」

「あかんよ、ながちゃん!なにしてんねん!?」

「よせ大河!」



再度、関西人がそう言ったことで、我に返る。

あたし達も大河の側に駆け寄る。



「なにしてんねん!?落ち着きや、ながちゃん!!」



(冷静だな、五十嵐・・・!?)



秀と悠斗と共に、大河を抑えながら思う。



(普段はただのアホにしか見えないのに、いざとなれば素早く仲間同士の喧嘩を止めに入るとは・・・見直したぜ!)



普段の関西人を知るだけに感心する。



「なにヤマトっち。俺を止めるのか?」

「当たり前や!自分がなにしたかわかっとんか!?」



静かにキレる幡随院に、五十嵐は怒鳴った。



「せっかく半日かけて、共闘してクリアできそうやったゲームを壊すやなんて、あかんやろうっ!!?」

「テメーがしたのは、ゲームの心配かよ!?」



(さっきのは取り消し!やっぱりこいつは、ただのアホだっ!!)



〔★ヤマトはヤマトだった★〕



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