彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)





「このままですますよな?」

「しつこい男ね。今日はもういい。」

「本当だな?」

「アダム、私の話を聞いてた?もういいのよ?」

「わ、悪い。ストレス発散は他でしろよ?」

「今は夏休みで、ゴミ原はからかえないじゃない。どうしろっての?」

「いや、それは~呼び出して~」

「めんどい。」

「そ、そうか。そうだよな。来週から忙しくなるしな。」

「そうよ。」




来週から、本格的に芸能活動の仕事が増える。

最初はモデルで知名度上げて、次にアイドル。

アイドル路線でオタク共の気を引いて、そこから女優として侵略していく。



普通の美少女では終わらない。



だからレディースの総長は卒業。

普通の女の子に戻って、会長として裏でかぐや姫を操る。

すぐ上のOBが金好きで助かる。

おだてて、甘えて、頼れば便利な手駒になる。




ー 小指につけてるハートの指輪、すごく似合ってます ー

(あの男、初めてあった気がしない・・・。)




会ったことがある気がする。




(気のせい?チョコってキラキラネーム、忘れるはずない。なによりも、あの見た目ながら印象に残って―――――――――)





「ルノア。」

「なに?」




考えを邪魔されていらっとする。

いつの間にか、二人きりだった。




「あんなガキにのぼせるのは許さねぇ!」




外野が気をきかせて私達だけにしたか。

熱のこもった目で見る男に告げる。

頭に血が上ってるのはアダムだけじゃない。



「んっ!」

「ふぁ!」



どちらともなく、かむようにキスする。

早く終わらないかと思って相手をする。



「ん・・・ちゅ・・・ちゅ・・・今日のルノアもキレイだ。」



キスの合間にアダムがささやく。



「今日の私のどこがいい?」

「全部。」

「細かく誉めなさいよ。」

「髪をアップにしてるからうなじが色っぽいよ。浴衣もルノアのためにあるデザインで、本当にスタイルが良い。俺が贈ったブレスレットを身に付けてくれて嬉しい。ネイルも――――――・・・・・・・・」



そこで言葉が止まる。





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