彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)




「フッチー!」




数日後、たまり場の店にいたら、めぐみが飛び込んできた。



「コーヒー屋台のチョコ君覚えてる!?」

「チョコ?」




覚えてる。

あえて面倒くさそうに、気だるそうな動きでアダムの腕の中から身を起こす。




「覚えてないの?」

「チョコね・・・」



覚えてないふりをする。そんなあたしにめぐみがつめよる



「スカイハイが助けた可愛い小動物ちゃんだよ!」

「・・・ああ、あんたたちが浮かれてたゆるキャラ?」

「そうだよ!あのゆるキャラ君、とんでもなかったんだ!!」

「とんでもない?」


やっぱりね。



興奮気味のツレを見て思う。



あたしが気にかけるということは、ただものじゃないということ

今回も直感が外れてなくて気分がよくなる。それを隠しながら、ポーカーフェイスで答えを待つ。




「なんだって言うの?」




私の問いに、ツレは大声で叫んだ。





「あのゆるキャラ、チョコ君はー龍星軍4代目総長の凛道蓮さんだったんだよ!!」





その言葉に、私はゾクッとし、外野は動きを止める。

あたしの身体を抱いてるアダムの腕がこわばる。全員黙り込んでしまう。




「嘘だろう!?」

「マジだ!!」

「やべぇ!俺凛道さんにらんじまった!」

「俺も!」

「や・・・やばいぞ!やばいだろう!?」

「詫び入れた方がいいか!?」

「ど、どうやって謝るんだよ!?」

「騒ぐな!!!」



怒鳴ったのはアダム。



「輝夜姫なら、どんとかまえろ!!!」

「そうだけど・・・!」

「そ、そうだぜ!見た目は噂ほど危なくなかったしな!?」

「油断させてるだけかもしれないぞ・・・?」

「びびってんのか!?」

「用心深いって言え!!」



アダムの発言で、もめはじめる男チーム。




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