彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
再会は、不意打ちを狙って声をかけた。
「凛道さん。」
夜店の賑わいと人の多さの中、彼に近づいて甘い声を出す。
「こんばんは、凛道蓮さん。」
「え?」
「凛道さんの集会、見ましたよ。すごかったですね。」
凛道蓮が私を見る。
でも、すぐに視界から消えた。
「テメー何しに来た!?」
高千穂カンナだったけど、どうでもいい。
この女に用はない。
「今夜会えてラッキーだわ。あたし、あなたに話があるのよ、凛道さん。」
「シカトか!?」
目を見ながら凛道蓮に話しかける。
凛道蓮が驚いてる。
ドッキリは成功したと思った。
そう思ったら楽しくなる。
「何のつもりだクソアマ!?」
「うるさいな・・・あたしは凛道さんに話しかけてんだけど?」
「ああ!?部外者の分際で、凛と会話できる立場だと思ってんのか!?」
「少なくとも、知り合いよ。」
「テメーと凛が知り合いだと!?寝てんのか、コラ!?」
「ホント、偶然て面白いわねぇ~」
目を細めながら私を見る凛道蓮にドキドキした。
「まさか『チョコちゃん』が、『龍星軍の4代目総長』だなんて思わなかった。凛道さん。」
あたしと凛道さんの目が合う。
「あたし達輝夜姫も、次の龍星軍の集会に参加させてくれませんか?」
「ふざけんなよ!!」
あたしの言葉で高千穂カンナがキレて、さやかもキレて、周りがうるさくなった。
それはどうでもいい。
あたしが興味あるのは凛道蓮の答え。
「凛道さん。うちも、龍星軍と同盟を組みたいと思ってるんですよ。」
そうすればもっと楽しくなる。
あたしの生活が楽しくなる。
考えただけでワクワクする。
笑い声をあげたいのを我慢しながら答えを待つ。
絶対に、あたしの話にノルはずだから。