彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)
「ねえ、返事してくださいよ?私の話・・・聞いてます?ねぇ、凛道さん・・・!」
無意識のうちに凛道蓮に近づいていた。
引き寄せられるような、何とも言えない幻想的な感覚。
これがカリスマを持つ男なんだと、アダムとは比べ物にならない漢なんだと強く思う。
微動だにし無い凛道蓮まで、彼まであと少し――――――・・・・!!
「話なら、わしが聞くで?」
そこで邪魔が入った。
「自分、人の話を聞かへんな?凛が口聞かん心あたり、わからへんのんか?」
「あんた、G組の・・・」
あたしと凛道蓮の間に、割って入っただけでも不愉快だったのに・・・!!
「ルノア、こいつ例の転校生だ・・・」
アダムの言葉にイラつく。
今は凛道蓮の話なの。
凛道蓮と話してるの!
ジャマするな!!
「話をさせるさせないとか・・・あんたが決めることじゃない。下っ端ふぜいが、調子に乗って生意気な口聞いてんじゃねぇーよ。」
「誰が下っ端だっ!!?」
大声で怒鳴られた。
「テメーヤマトになんつった!!?」
あたしが怒鳴られている?
「人がしおらしくしてりゃ、勝手ほざきやがって!!」
あたしが凛道蓮に怒鳴られてるの?
「俺のダチを侮辱する奴は消えろっ!!」
このあたしを怒鳴ってるというの、凛道蓮!?
「気分わりぃ。けーるぞ。」
女2人の肩を抱いて、あたしの前から去っていく凛道蓮。
その後のことは、ムカつき過ぎて覚えてない。
ただ、凛道蓮があたしの誘いを断ったことが許せなかった。
いつもなら、報復としてお仕置きをする。
社会生活を抹消するぐらい、いじめ抜いてやる。
いじめるのに・・・!!
(いじめるだけじゃつまらない・・・!!!)
その心境変化に自分でも驚いた。
でも、悪い気はしなかった。