今すぐ好きを。
「悠~入学おめでと~!千尋ちゃんもおめでと~!」

今度は悠ちゃんの椅子に手を置く。


「今日バイトだったの?」


悠ちゃんはその手を払いのけながら言う。

「うん、そうそう。帰りは食べてきたよ~」

王君はまた両手をあげて言った。


そんな二人を見て、朗らかに笑う遥さん。

家族円満って、こういうことなんだな、と思うのは、当たり前の状況だった。


「あ、そうだ。次の授業の、もう考えちゃお」


因みに、王君は家庭教師のバイトをしている。

家庭教師も、それなりに忙しいんだな。


「じゃ、俺部屋行くね」


バイバイ、と王君は階段をスタスタ上がっていった。

私たちはまた遥さんのカレーを食べながら、話を返した。


「王君言ってたけど、遊園地はどうかな?」
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