今すぐ好きを。
私は言うと、悠ちゃんはちょっと驚く。


「大丈夫?結構人いるけど……」

あ、そっか。


人がいっぱいってことは、男の子の人もいっぱいで、触れることも多くなっちゃうんだ。


う~ん……行けるかな?

「じゃあさ、ケーキバイキングでも行って、久々に描きに行かない?」

悠ちゃんはこういうときのフォローが上手だ。


描く、というのは絵のことで、私と悠ちゃんは小学生の頃絵画を習っていた。


絵の習い事ってだけあって、メンバーは女の子ばかりだった。

「うん。いいね、行こ!」


悠ちゃんはえへへと笑って、近くのチラシを私の前に出す。


【ブランシュ・メゾン 4月10日 女性限定バイキング】

と書いてある。


「ここ、先月オープンしたケーキ屋さん!女性限定だし、バイキング!」

悠ちゃんは案外甘党だ。

女性限定なら心配することないし、お母さんも安心だろうしな。


「じゃあ明後日、一緒に行こうね!」
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