今すぐ好きを。
「ただいま」

「おかえり」


お母さんはまず先に、私のいるリビングに顔を出した。


「カレー、温めておいてくれる?」

「うん」


自分の部屋へ行って、着替えなどを済まして、またすぐリビングに戻ってきた。


「お話し、聞かせてくれる?」

コンロで温めたカレーをよそって、私はうんと声を高くした。



遥さん特製カレーを食べつつ、頷いたり喋り返してくれたりしながら、お母さんは私の話を聞いてくれた。


入学式のこと、買い物に行ったら特売日だったこと、悠ちゃんと遊ぶこと、王君のこと………。

何の変鉄もない、この日常がずっと続けばいいのに。


そんなことが、当たり前に思える時間だった。


告白の……三橋君のことは、黙っておこうと思った。

お母さんに隠し事なんて、いつぶりだろうか。
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