不甲斐ない恋
けーすけくんは幽霊でも見たような顔をして俺をじっと見つめる。

あ、もしかして、こんな時間に来たからなんでとか思ってんのかな。
そりゃそうだよ。馬鹿な俺でもそう思う。


「あっけーすけくんごめんね?いきなり。俺さ、けーすけくんの家以外行けるような場所なくて、良かったら今日泊めて欲しいなぁって…」

家もない、金もない、スマホもいつの間にか失くした。
11月なのに薄手のロンTだけだし、なんか俺って本当に惨めだ。情けない。恥ずかしい。


けーすけくんに同情はして欲しくなくて、ヘラっとした態度で笑う。

けーすけくんは笑ってなかった。
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