不甲斐ない恋
とりあえず俺はお風呂に入って服は洗濯してもらった。
部屋着と下着はけーすけくんの服を借りて、ご飯も作ってもらった。

着替えてる時も、ご飯を食べてる時も、けーすけくんはずっと俺のことを見てた。



ご飯も食べ終わって歯も磨いて、よし寝るぞってなった時に、けーすけくんとやっとまともな会話をした。


「お前、これからどうするの」

1番嫌いな質問だった。

「…さあ〜どうしようかなあ。俺もうどこにも行けないし、けーすけくんの家にずっとずーっと住んでようかな」

半分冗談で、半分本気だ。
けーすけくんはこんな俺に世話を焼いてくれるし、ご飯も美味しいし、顔もかっこいいし、優しいし、俺がゲイだってカミングアウトした時も、けーすけくんだけが距離を置かないで、今まで通り接してくれたし。

「だはは、なんて…」
「住めばいいよ」

俺のクズ発言に怒ったのかと思って慌てて冗談だよって言おうとしたら、けーすけくんは俺の言葉を遮るように言った。

「住めばいいじゃん、ずっと」
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