不甲斐ない恋
「俺なんでもしてあげるよ。お前が傷付くようなこともしない」

けーすけくんが真顔でそんなことを言うもんだから、俺は思わず吹き出す。

「うふ、何それプロポーズ?でも俺けーすけくんとは結婚出来ないよ〜」

うん、出来ない。
こんな綺麗なけーすけくんが、こんな汚い俺と結婚なんて出来ない。
けーすけくんはもっと綺麗で、しっかり者のお姉さんがお似合いで、俺みたいなみすぼらしい男とはしちゃ駄目なんだ。
俺じゃ駄目なんだ。

「…プロポーズでもいいよ」

けーすけくんは、見たこともない表情で言う。

「お前が、ずっと傍にいるって言うなら、もう離れないんだったら、プロポーズでもいいよ」

けーすけくんは、ポスっと俺の肩に頭をのせる。

けーすけくんの頭からは、俺と同じシャンプーの匂いがした。
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