お前の唇、奪っていい?


「はぁ、はぁ...なに、いきなり...」


「2分35秒、よし時間内」


「もう、なによ!今ご飯食べてたんだけど」


「俺に付き合え」


「はぁ!?」




私が驚きの声を上げた瞬間、私たちの横に止めてあった車から朱里(あかり)さんが出てきた




朱里さんは、祐誠のマネージャーで、

昔から仲良くしてもらっててるから、私の知り合いでもある




「ごめんねー舞ちゃん、

祐誠くんがどうしても舞ちゃんにするって言うから、飛ばしてきちゃった!」


「わ、私にするってどういうことですか?」


「細かい事は後だ、とりあえず行くぞ」


「え、ちょ、なに!」




無理やり車の中に押し込められる




あぁ、もう、私お弁当途中だったのにー!!




しかも、携帯も鞄の中に入れたままだし...




本当に祐誠は自己中すぎ!!




「ねぇ、結局何の用なの?私お腹すいたんだけど」


「飯は後で俺が奢ってやる。

...お前には今日だけモデルしてもらうから、覚悟しとけよ?」


「...ん?」




モデル?私が?




何言ってるのこの人は?




「あの、何言ってるの?意味が分からない」


「はぁ...お前馬鹿なの?だから、今日だけモデルなの、俺と一緒に撮影。

相手役の女が急遽来れなくなったんだよ。
で、お前がその代役ってわけ」


「なにそれ!?そんなの無理に決まってるじゃん!?私一般人なんだよ?顔だってブサイクだし」


「ブスなのは知ってる。まぁ顔が映らないようにしてもらえばいーだろ」




そういう問題じゃないでしょ!

っていうか今、私のことブスって言った!?

確かにそうだけど、そこはあえて触れないでよ!




「ほんとごめんね、舞ちゃん。舞ちゃんなら出来るよ!」


「そんなぁ...私みたいな凡人に務まるはずないですよー!」




一体、どうなっちゃうの!?


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