お前の唇、奪っていい?


「分かったよ...でも流石に、祐誠には言っておくからね...」


「ありがとう!じゃあじゃあ、今月の21日はどう?日曜日で学校ないし!」




21日...


その日は、お父さんのお墓参りに祐誠と行くんだよなぁ...




「ご、ごめん、その日は私も祐誠も用事あって。別の日にしてくれない?」


「用事?もしかしてふたりでどこかに行くの?」


「え!いや、そういうわけじゃ...」




そんな、出かけるって程じゃないし...


お父さんのお墓参りとか、言いづら過ぎるし...




ええと...と私が言葉を濁らしていると、
奥村さんは可愛らしく首を傾げた




「まぁ、いいけどね。とりあえずまた日にちは改めて考えましょ?それじゃあね!」


「あ、ちょっ」




なんか、変な誤解されちゃったような気がするけど...




祐誠、絶対嫌だって言うだろうなぁ




ーーその頃


「ふぅん、21日ねぇ。いい事聞いちゃった」




携帯を取り出し、慣れた手つきで電話をかける


相手はーー




「あ、もしもしおじ様?お久しぶりです。
急に申し訳ないんですけど、あたしの頼み、聞いてもらってもよろしいですか?」






「21日に、モデルの竹下 祐誠くんをーー」




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