お前の唇、奪っていい?


次の日




私は昨日の事を言うために、珍しく仕事がないという祐誠の家にお邪魔していた




「はぁぁ!?3人で遊園地!?」


「や、やっぱり嫌、だよね...」


「お前行きてぇの?」


「全然!」




じゃあ初めから断っとけよ、と大きくため息をつく祐誠を横目で見ながら、
私も小さくため息をついた




もし本当に行くことになったら、
奥村さん、私を利用して絶対祐誠といい感じになろうとするよね...




そんなの、めんどくさいし嫌だなぁ




「おい、舞」


「なに?」


「21日さ、お前と...プルルルルッッ




着信音の主は祐誠の仕事用のスマホだった




祐誠は一瞬躊躇いの表情を見せたけど、
すぐにリビングから出ていく




約五分後に、祐誠は帰ってきた




「ごめん」


「...なにが?仕事の電話?」


「まぁ...事務所の社長から呼び出し。
21日、悪いんだけど墓参り午後からでいーか?」


「しゃ、ちょう...」




奥村さん、もしかして......



< 35 / 81 >

この作品をシェア

pagetop