お前の唇、奪っていい?
「社長に呼ばれたらしくて...しょうがないよ」
「そーかなぁ。...ねぇ舞ちゃん、まだお墓参りしてない?」
「あ、うん」
「僕もまだなんだ。一緒に行こっか」
そう言って己の手を差し伸べた啓くんの笑顔は、私の知ってる可愛い啓くんじゃなかった
いつの間に、こんなにかっこよくなったの...?
昔の啓くんは、すごく泣き虫で、か弱くて、私と祐誠がいつも守ってあげてた
だけど今の啓くんは、私と同い年とは思えないくらいたくましくなった気がする
身長は祐誠より少し高めで、半袖から除く腕は鍛えているのか筋肉が程よくついている
声も声変わりして、男の人になった
「なに、舞ちゃん、そんなに見て」
「いや、かっこよくなったなぁと思って」
「えぇ、僕が?」
「うん」
大きく頷いてそう言うと、啓くんは照れるなぁと頭を掻きながらそっぽを向いた
そしてすぐに私の方に向き直す
「舞ちゃんも、女の人になったね」
「え?女の人?」
それって...