お前の唇、奪っていい?
「.....どういうこと?」
「っ、はは!そういう所は変わらないね。ほら、行こっ!」
「わぁ!ちょ、啓くん!」
ガシッと手を掴まれて、早足で店を出る
あぁやっぱり、違う
昔は、私が啓くんの腕を引っ張ってたのに
今は、逆だ
「啓くん、おかえりなさい!!」
「っ...ただいま、舞ちゃん」
雲ひとつない綺麗な空
髪がなびくほどの弱い風
私たちは強く強く手を握り、微笑み合う
6月21日、私と祐誠の、もうひとりの幼馴染が、日本に帰ってきた