お前の唇、奪っていい?
...え?
いま、なんて...
「びっくりした?」
「あ...う、ん.....え、その...いつから...」
「引っ越す前から」
引っ越す前からって、じゃあもう5年間も...?
驚きのあまり、私はそこから何も言うことが出来なかった
ただただ、啓くんを見つめていた
「そんな無防備だと、襲うよ?」
「へっ...おそ、う...って...」
「こういうこと」
「え...ひゃぁっ」
ちゅ、とわざとらしく音を立てて、なんと私のほっぺにキスをしてきた
な、ななななんなの今のは!?
こんなの啓くんじゃない!!
慌てて椅子から立ち上がり、キスをされたところを右手で押さえる
「僕だってこう見えても男なんだよ?好きな子前にしたらキスくらいしたくなっちゃうよ」
「だ、だからっていきなりしないでよっ」
「いきなりじゃなかったらいいの?」
「そっそういうことじゃなーい!」
なに、なに、なんなの
心臓が大きくドキドキ波打ってる
キスなんかされたの初めてだよ...ほっぺだけど...
「ねぇ、舞ちゃん」
「ひゃ、ひゃい!」
「ぷ、ひゃいって...面白いなぁほんと。...安藤舞さん。僕と、お付き合いしてくれませんか?」
えぇ!?お付き合い!?