お前の唇、奪っていい?


その日の昼休み、事件は起こった





「舞聞いた?隣のクラスにめっちゃイケメンが転入してきたんだって!」


「あぁ、私の知り合いだよ。飯塚 啓人、私は啓くんって呼んでるんだけどね」


「...あいつ帰ってきたのか」


「うん、昨日偶然会って少し話したんだ。啓くん、祐誠にも会いたがってたよ」




私がそう言うと、祐誠はそれには返事をせずに無言になってしまった


...あれ.....なんか祐誠の様子が...




「あ、舞ちゃん!やっほー!」


「啓くん!?」


「あれが?...確かにイケメン」


「祐誠に劣らずって感じ」




啓くんは周りに女の子達を群がらせながら、教室前の扉の横に立ち、私を手招きした




慌てて駆け寄ると、啓くんを取り囲む女の子達の視線が私に向けられる




「ねぇ啓人くん、舞ちゃんと知り合いなの?」


「あぁうん、実はねおさな「僕の好きな人だよ」




そう言って、あろうことか私は一瞬にして啓くんの腕の中に収まってしまった




え、え!?なに!?


私、ぎゅーされてるの!?




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