お前の唇、奪っていい?
その瞬間、群がっていた女の子達が悲鳴のような声をあげた
私は驚きのあまりなにも出来ず、されるがまま
「ちょ、舞ちゃん!?啓人くんとどういう関係なの!?付き合ってるの!?」
「つ、付き合ってないっ」
「えぇー?舞ちゃん僕の気持ち知ってるのにそんな冷たいこと言うんだ〜?」
「なっなにそれ!」
思わず力強く啓くんの胸を押し返してしまった
啓くんはあーあ、離れちゃった!とにこにこしながら私を抱きしめていた手を解く
「で、啓人くん、本当に付き合ってるの?」
「付き合ってないよー、僕の片思い」
それを聞いた女の子は、不満そうな顔をしたけど、すぐに啓くんの腕に引っ付いて、私を横目で睨んだ
怖っ...
その鋭い目線に私が怯んでいると、ふと背後に気配を感じた
「祐誠...」
「祐誠!久しぶり!僕のこと覚えてる?」
「...あぁ。久しぶりだな」
...あ、れ?
なんか、祐誠と啓くん、睨み合ってない?