お前の唇、奪っていい?



教室に入り、机の中から筆箱を取る


...なんかもう、どうすればいいのか分からなくなっちゃった




祐誠にはまた突き放されたし、桃寧ちゃんもよくわかんない事言うし

奥村さんも、祐誠と仲良いのを私に見せつけてるし...




私も、どんどん性格が悪くなってる




「いつから、こんなにぐちゃぐちゃになっちゃったのかな...私、どこで間違えたの...?」




椅子に座り、沈みかけている夕日を眺める

涙は出なかったけど、今すぐ声を上げて泣きたくなった




それから十数分後、啓くんからメールが届いた


"会いたい"




たった4文字の言葉


それなのに、私の心は温かくなる




もう、祐誠の事は忘れよう

過去の祐誠との思い出は全部なかったことにして、新しい一歩を、啓くんと一緒に...




「祐誠のばか...」




"私の家に来て"


覚悟はもう、出来た




私の全部を、啓くんにあげる、覚悟




そうすればきっと.....


きっと...



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