お前の唇、奪っていい?


インターホンが鳴る


モニターには、私の彼氏の姿




ドアを開けると、啓くんは幸せそうに微笑んで、すぐに私を抱きしめた




「さっき会ったのに、会いたくなっちゃってさ。ごめんね、迷惑だった?」


「ううん、全然。私も会いたかった。夜ご飯私作るから、一緒に食べよ」




お母さんは、つい最近また海外に行ってしまったから、家には私ひとりだけ




だから、大丈夫




啓くんが家の中に入ると、啓くんは繋いだ手を離さずに私にキスをした


触れるだけのキスは、なんだかもの寂しく感じたけど、それで充分幸せ




「ねぇ...啓人」


「珍しいね、啓人って呼ぶの。...なに?」


「お母さん、また海外行ったの。だから今この家には、私と啓人だけ」


「...舞...?」


「もう付き合って半年が過ぎて、そろそろ覚悟決めようって思ってたの。...覚悟、出来たよ」




啓くんは、少し黙った


私の顔色を伺ってたのか、どうするべきか悩んでたのか、分からないけど


そして次に口を開く時には、私は啓くんに抱き抱えられていた




「舞、大好き」


「私も大好き」




丁寧にローファーを脱がせてくれて、私の部屋のベッドに横たわらせてくれる




もう、迷いはない


私は今日、自分の全てを啓くんに捧げる




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